行動分析学入門_杉山尚子_2018

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[amazonjs asin=”4087203077″ locale=”JP” title=”行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)”]

三行まとめ

・人の行動は、抽象的な”こころ”の動きではなく、行動に伴う環境の変化によって変化する。
・行動の「弱化」と「強化」は、それぞれ、行動によって良い結果が得られるか、また、その逆かによって引き起こされる。
・行動分析学を学ぶことで、悪い癖を直したり、特定の行動を植え付けることも可能となる。

雑感

 パブロフの犬という有名な話がある。
犬にベルを聞かせてから食事を与えるようにすると、そのうちベルの音を聞くだけで涎をたらすようになるそうである。
行動分析学は、まさにそれを(脳科学ではなく心理学的に)解き明かそうという学問である。

 この本を読んでいて、まさに、自分が悪い癖-指の皮をむくだとか、突然人を驚かせるような凶悪な話をするだとか-を治そうとしたときに考えていたことと一致すると感じた。
はたまた、嫌いな勉強を長続きさせるときにも同じ事を考えた。

人間も動物であって、脳の化学物質によって支配される存在なのである。

楽しいことがあれば続けるし、嫌なことがあればやめる。
逆に言えば、

楽しいようにしてやれば嫌いなことだって続けられるし、その逆も可能なのである。

 こどもを育てるという場面においても、非常に有効な考え方ではないだろうか。
こどもは、大人よりもっと単純で、すべての行動に嬉しいことと嫌なことが絡んでいる。
行動の前後で何が変化したのかよく分析して接してあげるべきであろう。

学び

★人間の行動は、その行動の前後で何が変化しているのか科学的に分析することで見えてくるものがある。
★行動の結果に対して頭ごなしに腹をたてるのではなく、なぜその行動をとったのか考えたい。
★カウンセリングでは”すり替え法”とでも言うのだろうか、悪い癖を治すのにも使えそうだ。
★逆に考えれば、”洗脳”だって一緒かもしれない。その行動を取るほうが”楽”なのだから。

実践・変化

・自分が取った行動を振り返ることができるようになり、自分の行動の癖が見えてきた。
・他人の行動に寛容になった。
・苦手だと思うこと(会話とか)にも、積極的に取り組めるようになった。

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