マールブルク – ドイツ駐在日誌 #9

ドイツ駐在日誌

(この記事は書きかけです。)
日帰り小旅行。今日の歩数は、18,059歩。

メルヘン街道沿いの町Marburgへ

2回目の土曜日は、車も借りられたことですし日帰りで別の町に行ってみることに。Frankfurt am Mainから少し北に行ったところにあるMarburg。Autobahnを約1時間ほど走れば到着する。

フランクフルトから近く、そしてグリム童話ゆかりのオブジェがあり散策に最適とのことで行くことに。マールブルクは、グリム兄弟が大学に通った地であり、今でも大学町として多くの学生が住んでいる学術の街だ。マールブルク大学は1527年に創立され、ノーベル賞受賞者も多い。

まずは、街の散策

近くの駐車場に車を停め、正午の鐘が鳴り響く聖エリザベート教会へ。
*駐車場は(日本人にとって)ものすごく狭く、四苦八苦。疲れた。

教会内部は残念ながら改修中で一部しか見れず、正面の祭壇は布で覆われていたので心の目で楽しんだ。


布で覆われた祭壇

すこし残念な気持ちになりながら、街の散策を開始。町の入口付近は、近代的な建物と伝統的な建物が混ざっており欧州らしい雰囲気だ。新しい雰囲気の大学施設があったり、はたまた何百年も建っていそうな講堂があったりと面白い。

ふと、美術館らしい建物を見つけ入ってみた。

Kunstmuseum Marburg

学生は無料で、一般は5€で見学できる。展示物は、1800年代の油絵や光と影にまつわる彫刻など様々だ。ただ、ドイツ語が読めないので解説が分からない。

地下の展示室に、不思議な絵が並んでいた。おかれているパンフレットを見ると、日本語で書かれているではないか。

山口県宇部市で開催されているUBEビエンナーレの一環として、ドイツの彫刻作家と日本の児童がコラボレーションし「共生」をテーマに作品を仕上げたとのことである。実際、この金属彫刻は宇部市で見ることができるようだ。[ID:22029] On the Shoulders of Others / だれかの肩にのって : Detail | Sculpture Database – Ube City | UBE Biennale (jmapps.ne.jp)

アートは海も言葉も越える。何気なく入った美術館で日本との関わりに出会うとは、少し感動を覚えた。

街角のフェンスに、子どもが作ったのであろう寄せ書きのようなものが飾られていた。来てから思うのは、こちらでは「カラフル」が子どもらしさの象徴に思える。色使いが派手で元気。とてもかわいい。

Google Mapで調べてみると、やはり学術の街、博物館・美術館がとても多い。一つ一つ観ていてはキリがない。さてさて、そろそろ本題のグリム童話オブジェ巡りを始めましょうか。

こちらのサイト(メルヘン街道の町マールブルクでグリム童話の主人公をさがせ! | Good Time Germany (mops-germany.com)を参考にしながら、テクテクを開始。

グリム童話を巡る

旧植物園

まず一つ目のオブジェがあるのが、旧植物園。1977年まで、マールブルク大学植物園として運営されていたそうだ。それ以降は、新植物園に移されたそうだが跡地が大学所有の公園として活用されている、

夫婦・カップルや犬を連れた散歩者がちらほらいて自然を楽しんでいる。

中央にハート形の池があり、そのほとりに一番目のオブジェ「漁師とおかみ」の魚がある。

シュタイン通り

高台に上る街道であるシュタイン通り。ここを歩くと、「狼と子ヤギの顔」と「かえるの王様」に会える。通り沿いは、ドイツらしい建物が並んでいて、見ているだけで楽しい。

大学教会付近

通りをまっすぐ進むと教会に到着する。教会の少し手前にあるのが「貸出図書館」だ。多分そうだ、としかわからないのだが普通の商店である。

教会まで進むと、教会の壁に「星の銀貨」の巨大なレリーフが飾られている。幻想的な色彩が、レンガの色と絶妙に合っていないのだが、吸い込まれそうな銀河を演出しているとも言える。

ここに来る途中で、おしゃれなかばん屋さんを見つけた。皮専門店らしく、安価でデザインの良い皮カバンが沢山売られていた。こういったお店一つ一つが、古い建物の中に入っていて、インテリアも凝っているので歩いていて飽きない。都会の真四角でシュッとしたお店よりもこういうスタイルの方が好きだ。

マルクト広場

街道を進むと、マルクト広場にたどり着く。マルクト広場は、レストランや屋台が集まっていてまさに町の中心といった雰囲気だ。歴史のあるマールブルク市庁舎が迎えてくれる。

ここにある、グリム童話関連のオブジェは、「7匹のハエ」で壁にでかいハエのオブジェが張り付いている。が…写真を撮ったつもりがiPhoneも疲れてしまったらしく地面が映っていた…。まぁ仕方がない。

Schloßtreppeから方伯城へ

広場の奥に進み、Schloßtreppeという階段を上る。ここには、赤ずきんにまつわるオブジェとしてお遣いの籠がおかれている。(明らかに子供が持てるサイズの籠ではないし、所どころ色が剥げている)

このかわいい階段を上った先には、つたに覆われた城門や、白雪姫にちなんだ鏡などが姿を現す。
白雪姫の鏡は、そう言われればそうだなと思うのだが、この可愛い街の中ではカーブミラーと勘違いしてしまいそうな大人しさだ。

余談だが、ここでドイツ人の観光客母娘に写真をお願いされたので、撮ってあげたのだが、「ハイチーズ」の言い方が分からず無言で撮ってしまった。やっちまったぜorz。
調べると、「1, 2, 3, Käse」とのことで、チーズでええんかいな!と突っ込みを入れてしまった。

閑話休題、この街道を上りきると、かの有名なシンデレラのパンプスが登場する。
あとで、グリム童話の一説が書かれた階段が登場するが、この階段側からくれば、詩とパンプスが同時に見えるという仕掛けである。

城からの景色

城の中は、そのまま博物館として利用されているのだが、時間もあまりなかったのでそのまま降りることに。

シンデレラのパンプスから、ルーテル教会へ降りる階段を使って移動。
この階段、踊り場から上を見上げるとグリム童話の一節が書かれているのに気づく。
城の美しさと、シュールな赤いパンプス、そしてグリム童話。おとぎの国に迷い込んだような感覚だ。

ルーテル教会周辺

教会周辺に来ると、パイプオルガンの音が響いており荘厳な雰囲気だった。しばし、教会に寄ってオルガンの演奏を聴くことにする。調べると、この教会のオルガンは2015年に改修された最新式のパイプオルガンとのことである。様々な音色が聖堂全体に鳴り響いて、体全体が揺さぶられとても心地が良い。私自身は、キリスト教を信仰しているわけではないがキリスト教から派生した(高級な)文化には感服する。

教会でひと時を過ごした後、「サヴィーニ教授の家」と「ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家」を確認した。

どちらも、「普通に人が住んでそうな家」なのだが、どうなのだろう。そういえば高校の同級生で、歴史ある家系のため、住家がそのまま文化財になってしまった人が居た。ちなみに私は、以前の住家が寺院だったため庭に他人が居ても全く気にならない性質ではある。

リューベンシュタイン通りからバルフューサー通りへ

そろそろ旅も終盤。お菓子の家を横に見ながら、狭い通りを進む。
進んだ先にあるのが「街の古地図」。バルフューサー通りに出ると、「グリム兄弟の下宿」を見ることができた。

お菓子の家の後ろ側
街の古地図
 
グリム兄弟の下宿

小道がすべて可愛い。こんな街に住んでみたいなぁと思う。
近辺に住む大学生は、贅沢だ。こんな素晴らしい環境だからこそ、多くの学者を輩出してきたのだなと考えさせられる。

これで、グリム童話めぐりのお散歩はおしまい。お店を眺めて、小道を探検して帰ろう。
とてもいい旅だった。

写真集

はみだし

日本のニュースを見るとハロウィーンで盛り上がっているようですが、ドイツではハロウィーンでお祭りという習慣はあまり無いようです。ところどころかぼちゃが置いてあったりしますが、多くはない。仮装した群衆も見かけませんでした。

ハロウィーンは、ケルトのお祭りサウィン祭(収穫祭)がカトリックの行事である諸聖人の日の前夜祭として融合。その後、アメリカでビジネス化されたことによりお祭りとして定着したものです。経済を回す仕組みとして、若者を惹きつけ盛り上げる力が根底にあるのかもしれません。バレンタインデーや恵方巻と似てますね。

日本でも神社のお祭りが同じ構造で、この点がハロウィーンとの親和性が高かった理由かもしれない。秋祭りが和風なのか洋風なのかの違いでしょうか。

2022.10.29 (Sat.)

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