概要
Pythonコードから実行可能形式(.exeもしくはLinuxバイナリ)を作成するためには、
PythonインタプリタとPyInstallerというプラグインが必要。
バイナリ化することで、PythonインタプリタがないPCで実行したり、
実行速度を(少しばかり)向上させることができる。
注意点
- クロスコンパイルはできない。WindowsならWindows、LinuxならLinuxの実行可能形式が出力される。
- Pythonのビットバージョンは、完成したプログラムを実行するPCに合わせる。
- 32bitのOSで64bitの実行可能ファイルは作れない。逆は可能。
- 2019年2月時点では、pipのバージョン19以上ではPyInstallerのインストールに失敗する。
pip バージョン18.1を使用しなければならない。19が入っている場合は、python -m pip install pip==18.1
を実行してダウングレードする。
手順
一応、Pythonのインストール手順も書いてあるが、
適宜読み飛ばすこと。
1.Pythonのインストール
Windows
- インストーラをダウンロード
https://www.python.org/downloads/windows/
このURLから、自分のWindowsのbit数に合わせてダウンロードする。
*開発対象のサーバ等にインストールされているPythonのバージョンに合わせて
ダウンロードするバージョンを変る。
(Python2、Python3ではそれぞれ互換性に問題がある。https://qiita.com/ty21ky/items/e5ce2fd04c2ef07955a1) - Pythonのインストール
- PATHに追加するようにしてインストール
- Close
- 確認
PowerShellもしくはコマンドプロンプトを開き、python –version
と入力する。
Python x.x.x
と表示されればPATHも通っていて成功している。
- PATHに追加するようにしてインストール
Ubuntu-WSL
Ubuntuでのインストール手順と変わらない。
- $ sudo apt update
- $ sudo apt upgrade
- $ sudo apt install -y python3 #pythonとするとpython2がインストールされる
2. エディタのインストール
Windowsでは、Pythonを得意とするエディタが存在するので
折角であれば入れておきたい。
最近はAtomが人気なようですが、まだ不安定性は残っているようなので
個人的にVisual Studio Code(VS Code)を入れました。
VS Codeを選んだ理由として、PlantUMLの静的コード解析プラグインと
自動実行機能を有していたのが大きいです。
プログラムの設計からスクリプトコーディングまで、これ一本で完了です。
もちろん、コンソールや実行結果画面もあるのでデバッグにも最適です。
インストール方法は、こちら。
3. pipのインストールと確認
Windows
Windowsでは、pythonインストール時点で既にpipもインストールされている。
2019年2月時点で、バージョン19.1にバグが存在するため18.1であることを確認
- PowerShwll, cmd, VS Codeのコンソールウィンドウのいずれかで、下記コマンドを実行
python -m pip install pip
これでバージョン情報が帰ってくればOK。
pip 18.1 from C:\Users\hoge\AppData\Local\Programs\Python\Python37\lib\site-packages\pip (python 3.7)
Ubuntu-WSL
- インストール
$ sudo apt install python3-pip #python-pipとするとpython2用のpipが入る。
- 確認
$ pip3 -V #pip -Vとするとpython2用のpipが呼ばれる。
4. PyInstallerのインストール
Windows
- シェル上で、
python -m pip install PyInstaller
を実行。
- コーヒーでも飲みながら少し待つ。
- 以下が表示されれば完了
Successfully installed PyInstaller-x.x …
Ubuntu-WSL
- シェル上で、
$ pip3 install PyInstaller #pip install PyInstallerだと(略
を実行。
- 以下が表示されれば完了
Successfully installed PyInstaller-x.x …
5. PyInstallerの実行
Windows
- pythonスクリプトフォルダがあるディレクトリでシェルを開く。
- 以下のコマンドを実行
python -m PyInstaller –onefile myscript,py
–onefileというオプションを付けないと.exeアーカイブが生成されない。 - 完了すると、作業フォルダにdistとbuildというフォルダができている。
- distの中に.exeファイルができていれば完成である。
Ubuntu-WSL
- Windowsと同様であるが出力ファイル形式は、Linuxバイナリである。
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